生コンクリートQ&A

Q&A


生コンクリートに関する質問です。
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Q20) スラッジ固形分の再利用は可能でしょうか
また、固形分の水和生成物の主な組成は何ですか
1 スラッジ固形分の再利用について
 生コン工場で発生する産業廃棄物は、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の分類では「汚泥」に属しています。この「汚泥」は、プラントミキサ・生コン運搬車の洗浄や工事現場から余剰コンクリートとして持ち帰ってくる、戻りコンクリートの処理に伴って発生するもので、生コン工場では回収水として扱っています。
 回収水は一般に自然又は強制的に濃縮して天日乾燥するなどして含水率を下げてから「汚泥」として管理型産業廃棄物の扱いで処理業者を経由して埋立廃棄処分されています。 しかし、生コン業界では回収水の主成分はセメント成分であることに着目して、昭和53年から回収水のスラッジ固形分がセメント質量に対して1%未満であれば上水道水と同等に、また1%以上〜3%以下であれば配合修正の条件付きで練混ぜ水として使用できることになり、回収水のリサイクルが可能となりました。実状としては回収水を使用する場合、1%未満での使用が多く、1%以上〜3%以下であれば配合修正で単位水量が増すため使用は避けられているようです。これらから回収水は生コン工場では余剰の傾向にあります。
 平成8年8月の厚生省通達で、汚泥を加圧脱水機によってケーキ状に固化して圧縮強度が8N/mm2程度のものは「ガラスくずおよび陶磁器くず」として扱われることになり、従来の管理型産業廃棄物から安定型産業廃棄物の扱いとなって、廃棄物の処理経費が緩和されました。
 近年、最終処分場の残余容量が少なくなってきており、脱水ケーキは再利用するなどリサイクルに向けた取り組みが重要となってきています。
 ご質問の「スラッジ固形分の再利用」はこの脱水ケーキの再利用方法ではないかと推測され、以下再利用方法について説明いたします。
 脱水ケーキは廃棄すれば、圧縮強度8N/mm2程度のものは「ガラスくずおよび陶磁器くず」として扱われることになり、安定型産業廃棄物の扱いとなることは前述の通りです。
 再利用の方法としては脱水ケーキは荷姿は固化しているため、粉砕して粒度調整用路盤材に使用することが多いようです。微粉砕してセメントの原料に混ぜる方法もありますがセメント工場が近くにあるなど制約が多く一般的ではないようです。
 また実験レベルでは細骨材の一部に使用することもありますが、実機レベルでは絶対量の確保など問題も抱えています。
 
 終わりに固形分の主な成分を普通ポルトランドセメントと比較しておきます。

乾燥スラッジ 普通ポルトランドセメント
ig.loss 25.1 1.0
insol 1.9 0.2
SiO2 15.5 22.3
Al2O3 4.9 5.6
Fe2O3 1.5 2.8
CaO 47.3 63.6
MgO 1.6 1.7
SO3 1.5 1.9
Na2O 0.19 0.28
k2O 0.18 0.50
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Last updated on Wed, Jul 2, 2003