Q24) |
設計基準強度と品質基準強度がありますが、品質基準強度は、なぜ+3Nとするのでしょうか
また、設計図に設計基準強度しか記されていない場合も+3N必要なのでしょうか |
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設計基準強度とは構造物の構造計算において基準としたコンクリートの圧縮強度をいいます。 |
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品質基準強度とは構造物及び部材の要求品質を得るために必要とされるコンクリートの圧縮強度で、通常設計基準強度と耐久設計基準強度を確保するために、コンクリートの品質の基準として定めた強度をいいます。 |
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耐久設計基準強度とは構造物及び部材の供用期間に応ずる耐久性を確保するために必要とされる圧縮強度をいいます。 |
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混乱されてわかりにくいと思われますのでもう少し説明を致します。 |
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日本建築学会JASS 5 鉄筋コンクリート工事 建築工事標準仕様書の3.4 品質基準強度によれば次のように規定されています。 |
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a |
コンクリートの設計基準強度は、18,21,24,27,30,33及び36N/mm2を標準とする。と規定されております。 |
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b |
コンクリートの耐久設計基準強度は、構造物または部材の計画供用期間の級に応じて特記によることとなっております。特記のない場合は、次表によることになります。 |
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計画供用期間の級 |
耐久設計基準強度(N/mm2) |
一般(供用限界期間65年)
標準(供用限界期間100年)
長期 |
18
24
30 |
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c |
コンクリートの 品質基準強度は3.1式及び3.2式によって算定される値のうち、大きい方の値とします。 |
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Fq=Fc+ΔF |
(N/mm2) |
3.1 |
Fq=Fd+ΔF |
(N/mm2) |
3.2 |
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ここに、Fq:コンクリートの品質基準強度(N/mm2)
Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2)
Fd:コンクリートの耐久設計基準強度(N/mm2)
ΔF:構造体コンクリートの強度と供試体の強度との差を考慮した 割り増しで、3N/mm2とする。 |
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ΔFの割り増しの根拠は、構造体コンクリートの強度と現場水中養生との間には3N/mm2の強度差があることを補正したものであります。 |
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このことからレディーミクストコンクリートの発注について述べると
呼び強度の強度値は気温補正値を加えて
コンクリートの品質基準強度+気温補正値 となります。 |
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なお、ΔF3N/mm2の要否ですが、設計図書になくとも加味されるのが一般であります。 |
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呼び強度の発注例
設計基準強度 24N/mm2
気温による補正値 3 N/mm2
呼び強度=24+3+Δ3=30 となります。 |