生コンクリートQ&A

Q&A


生コンクリートに関する質問です。
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Q38) コンクリート標準示方書には凝結時間試験方法が掲載されていますが、その結果についてふれられていません。
その判定方法について教えていただけないでしょうか。
 コンクリートの凝結には特に明確な定義はないでしょう。
しかし,フレッシュコンクリートが固まり始め,硬化していく状態は,セメントの水和反応に基づく粘性の増加,塑性の減少,強度や弾性の発現など,一連の時間経過に対する性状であることから,その特異点を凝結の始発や終結としてとらえています。

凝結過程のコンクリートはセメントの品質のほか,コンクリートの配合,気象条件,施工条件の影響を受けます。またそのとき,ブリーディングや水和発熱に起因する温度上昇などを伴い,初期ひび割れを発生したり,長期におけるひび割れの原因にもなります。これらから,凝結はコンクリートの打継ぎ許容時間,こて仕上げ時期,タンピング時期,スライディングフォームにおけるスライディングの時期や速度,脱型の時期などを決定する際の目安としています。

類似したものにセメントの凝結があります。コンクリートの凝結性状はセメントの凝結と密接な関係にありますが,コンクリートには多量の骨材や混和剤が混入されていることから,セメントの凝結をもってコンクリートの凝結を代用することはできません。

コンクリートの凝結時間試験方法はJIS A 1147 によって試験しますが,この試験方法は元来,化学混和剤の性能を評価または確認するうえでの指標として提案されたものです。

試験方法を簡単に述べれば,貫入針の先端が試料中に深さ25mm貫入したときの単位面積当たりの貫入抵抗を測定します。

  コンクリートの始発時間は貫入抵抗値が3.5N/mm2になるまでの時間
  コンクリートの終結時間は貫入抵抗値が28.0N/mm2になるまでの時間


一方,文献によればコンクリートの凝結時間では,コンクリートの流動性の変化,変形および強度の変化などの相互の関係を求めて,
  コンクリートの始発時間は貫入抵抗値が0.1N/mm2になるまでの時間
  コンクリートの終結時間は貫入抵抗値が1.0N/mm2になるまでの時間
  コンクリートの振動限界時間は貫入抵抗値が3.5N/mm2になるまでの時間
としているようです。


またコンクリートの打設において最も留意すべき事項にコールドジョイントの発生があります。この防止の観点から打継ぎに許容される限度を次ぎのように提案しています。

部材 貫入抵抗値N/mm2
打放しやその他重要な部材の場合 0.1
一般部材 0.5
一般部材で内部振動その他適当な処置を行う場合 1.0

凝結を制御する方法としては,凝結遅延剤,凝結促進剤,減水剤,AE減水剤の遅延形,促進形などの化学混和剤による方法が一般的です。

その他の要因としては
セメントは普通セメントに比べて早強セメントは早い。混合セメントは遅い。
骨材や練り混ぜ水に含まれる塩化物が多いと早い。糖類や有機物は遅い。
高炉スラグ微粉末の置換率が大きいと遅い。
流動化剤や高性能AE減水剤の使用はAE減水剤に比べて遅い。
高温,低湿,日射,風は早い。

以上ご質問の回答とさせていただきます。


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Last updated on Wed, Jul 2, 2003