生コンクリートQ&A

Q&A


生コンクリートに関する質問です。
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Q44)  圧密試験での供試体の破壊形状がつつ”み形になるのはなぜ?
 また供試体が乾燥すると強さはどうなる?
 粗粒率および表面水率とコンクリートの配合設計との関係は?
1 圧縮試験での供試体の破壊状況 
 破壊に至るメカニズムは次のようです。
1)  最大応力(圧縮強度 )のおよそ30%の応力になると,粗骨材とモルタルの境界層にボンドクラック(粗骨材−モルタル間の付着が損なわれて生じる微細ひび割れ)が局部的に生じ,剛性(ヤング係数)がわずかに低下します。
2)  最大応力のおよそ50%の応力になると,粗骨材の周辺で生じた局部的なひび割れがモルタル中に進展します。
3)  最大応力のおよそ80〜90%の応力になると,ひび割れが互いに連結して,大きなひび割れが形成され始めます。(この応力レベルを臨界応力度といいます。)臨界応力度は圧縮試験で得られる最大応力にほぼ相当しています。
4)  破壊に至ったときは一般には円錐状になりますが,形状は粗骨材のかみ合わせや強度により異なります。

2 供試体の乾燥が強度に与える影響
 供試体を製作後,ただちに空中養生した場合は,水中養生を行った場合に比べて応力上昇域の強度は小さくなる傾向にあります。これは,空中養生を行った場合,水和過程において水分の補給が十分に行われず,内部の組織が緻密化しないからです。
 しかし,応力上昇域を湿潤養生にて経過した後は,乾燥状態にすると湿潤状態より,強度は見かけ上,大きくなる傾向があるが,その後の強度増進はありません。
 文献によれば,湿潤状態の供試体を,試験前にゆっくり乾燥させると強度は5〜20%程度大きくなり,反対に乾燥した供試体を試験時に湿潤状態にすると強度は10〜20%低下する傾向にあります。このためJIS A1108では水中養生の供試体は水槽から取り出した直後に試験することになっています。
3 骨材の粗粒率と表面水率が配合設計との関係
1) 粗粒率について
 細・粗骨材について,それぞれ大小粒の混合割合の程度を粒度といい,粒度は粗粒率で表されます。この値が大きいほど粗い粒度の骨材であることになります。
 配合に与える影響として,粗い粒度の骨材を使うとコンクリートの性状は荒々しくなり,反対に細かすぎる粒度の骨材を使うとコンクリートはベタついた状態になり,単位水量が増す要因になり,適度の粒度が要求されます。
 配合設計にあたっては,砂の粗粒率が0.1だけ大きい(小さい)ごとに,細骨材率(骨材中に締める細骨材の割合)を0.5だけ大きく(小さく)する 配合補正を行います。
2) 表面水率について
 骨材粒の内部が水で満たされ,かつ粒の表面にも水が付着している状態を湿潤状態といい,表面に付着している水を表面水量といい,通常はその割合を表面水率で表します。
 骨材は,製造・貯蔵・運搬の過程で表面水量を保持しています。
 配合設計にあたっては,骨材中の表面水量は単位水量の一部とみなされるため,骨材については表面水量分を骨材で割り増し,さらに表面水量分を単位水量から減じる補正を行います。

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Last updated on Wed, Jul 2, 2003