生コンクリートQ&A

Q&A


生コンクリートに関する質問です。
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Q47)  当現場で7月〜9月にかけてボックスを構築するのに24-12-20-BB W/C 55%のコンクリートを2回にわけてポンプ打設します。ここで、ひび割れの起きにくいコンクリート対策を教えてください。
 お問い合わせは暑中におけるひび割れの抑制ですが,暑中コンクリート対策と併せて述べてみます。
1 暑中コンクリートとは
 外気温が25℃を超える場合の環境を差しています。
 25℃を超える高温に,低湿度,強風,日射などが重なって,品質が損なわれます。
受ける影響としては
1) 練り混ぜ時のスランプが出にくい。
2)  生コン工場から現場までの運搬中のスランプロスが大きく,ワーカビリティーの低下や,コンクリートの凝結の促進によるコールドジョイントの発生
2 ひび割れの抑制
 ひびわれの多くは複合的要因が重なって発生するため,基本的な抑制対策を行うことが重要です。
 ひびわれの要因は,設計・材料・施工に大別されます。ここでは材料と施工について抑制対策を上げてみます。
1) 材料における暑中対策
コンクリート温度を低減する。
 荷卸し時のコンクリート温度は35℃を超えない。
コンクリート温度が高いと,コンクリートの特性としては
初期水和反応が促進する。
単位水量:比熱が骨材に比べて大きいので水温を下げることは効果がある。
単位水量はできるだけ少なくする。スラッジ水の使用は避ける。
初期材齢の強度増進は大きいが,長期材齢における強度増進は小さい。
対策  
 コンクリートの温度を下げるため,材料においてもできるだけ下げる。
セメント:低発熱セメント,高炉セメントB種,中庸熱セメント
単位セメント量はできるだけ少なくする。
単位水量:比熱が骨材に比べて大きいので水温を下げることは効果がある。
単位水量はできるだけ少なくする。スラッジ水の使用は避ける。
細・粗骨材:コンクリート中に占める割合が多いため,温度上昇を防ぐには効果的。最適細骨材率の確保。上屋の確保。適度の散水。特殊な場合は液体窒素で冷却
化学混和剤:凝結遅延形のAE減水剤,又は高性能AE減水剤の使用プラスチックひび割れ,コールドジョイントひび割れに有効
混和材:膨張材の使用も有効
2) 施工
計画
打込み当日の気象条件
温度,湿度,風速,日射などを考慮
作業工程に余裕をもつ。(予備日等の検討)
暑中環境では作業員の体力を消耗しやすい。通常より多めの人員配置が必要。特にバイブレータ,均し要員の交替員を確保
生コン工場からの運搬時間は短いこと
外気温の低い早朝に打設
コンクリートポンプを使用する場合は管径を太くする
打設
暑中環境下での締固め作業に必要な作業時間を考慮。
打設前に型枠に散水。
鉄筋温度を下げるため直射を避け現場に覆いをかける
高性能バイブレータの使用。
仕上げ
ブリーディングが少なく終了が早い。仕上げ要員を増員する。
初期ひび割れの発生を少なくする。
仕上げに早くかかる。
タンピングを実施する。
養生
 可能な限り実施すること。
温度上昇速度を防ぐ。
打設箇所に覆いをかける。
現場に覆いをかける。
水分蒸発速度を防ぐ。
水を噴霧する。養生マットに散水シート。
含水させた麻袋初期材齢における養生は必要不可欠で,湿潤状態に保つ。
給水養生。保水養生。被膜養生剤等の検討
3) 主なひび割れの要因(設計を除く)
 乾燥収縮
 鉄筋位置の移動
 コールドジョイント
 打ち継ぎ不良
 コンクリートの沈下,ブリージング
 初期の急激な乾燥
 温度ひび割れ
 
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Last updated on Wed, Jul 2, 2003