生コンクリートQ&A

Q&A


生コンクリートに関する質問です。
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Q49)  耐久性コンクリートを使う場合、基準設計強度が30N/mm2となっており、その他補正値を加えると、36N/mm2位になります。
 この時、JASS5では、スランプは18cm〜15cmなのですが、スランプを硬くして、水セメント比を下げることによって、低強度で、なおかつ、基準に見合って長期耐久性を得ることは可能でしょうか。
 また、その他別の方法(配合等)はあるのでしょうか。
 まず最初にお断りいたしますが,耐久性コンクリートというコンクリートは存在いたしません。一般的には耐久性を考慮したコンクリートということになります。

 コンクリートの耐久性とは
1  種々の劣化外力に対してひび割れが生じにくいこと。
2  中性化に対する抵抗力があること。
3  鉄筋の腐食に対して防せい性があること。
4  凍結融解作用に対する抵抗力があること。
5  アルカリ骨材反応が生じないこと。
 などの要求に応じるコンクリートであります。

 耐久性に係わる性能のうち,中性化,表面劣化,塩化物イオンの浸透,鉄筋腐食などに対する抵抗性は,コンクリートの水セメント比に支配されるところが大きい。そのため水セメント比が所要の耐久性を確保する指針となり,水セメント比と密接な関係がある圧縮強度を定めることにより所要の抵抗性を得ることができます。

耐久設計基準強度
 JASS5では耐久設計で確保すべき所要の強度を耐久設計基準強度という。耐久性に関わる性能項目のうち,アルカリ骨材反応,凍結融解作用,乾燥収縮ひび割れ等に対する抵抗性は水セメント比にはあまり左右されない。
 耐久設計基準強度は,耐久設計において必ずしもすべての項目に関連した基準の強度ではない。耐久設計基準強度はコンクリートの中性化に対する抵抗性をもとに定めたものであり,表面劣化,塩化物イオンの浸透,鉄筋腐食などにも関わる強度です。

JASS5ではコンクリートの耐久設計基準強度を次のように定めています。

供用限界
期間
大規模補修不要
予定期間
供用限界
期間
耐久設計
基準強度
一般 30年 30年 18(N/mm2)
標準 65年 65年 24(N/mm2)
長期 100年 - 30(N/mm2)

品質基準強度
 耐久設計基準強度+補正値(3N/mm2)


スランプ
 品質基準強度が33N/mm2以上の場合は21cm以下
 品質基準強度が33N/mm2未満の場合は18cm以下

 ご質問の中でスランプを硬くして水セメント比を下げるとありましたが,スランプは打ち込み時の作業性ができる範囲で小さくなるように定めております。例えば基礎コンクリートにおいてスランプ15cmの設計であれば,スランプ15cmで打ち込みしなければなりません。いたずらに硬くすることは作業性が悪くなり,管理者の指示を受ける必要があります。
 また,スランプを硬くすることで水セメント比を下げることは直接には関係ありません。前述したように,水セメント比は圧縮強度と密接な関係があり,仮にスランプを硬く(小さく)しても,圧縮強度は変わらないわけですから水セメント比は一定としてスランプにあわせた配合修正行うことになります。
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Last updated on Wed, Jul 2, 2003